新素材の探究
新素材という言い方は少しおおげさで、今までガーデンデザインではあまり使われてこなかった素材に注目してそれまでできなかったような装飾を質感はそこなわずにリーズナブルに提供したり、軽量化がはかれることでベランダなど重量が制限される場所の本格的な提案を可能にしたりしています。アトリエのベランダはそのショールームとなっています。

ここではその製作過程を追うことで2つの素材の豊かな表現力について説明してみます。まず一つ目は「ウレタン塗装をした発泡材」です。上の写真はベランダにその材料でつくったプランターとベンチ(ベンチは木で補強してあります。)を設置したところです。

職人さんが、プランターに耐候性のペンキを塗ってくれているところです。設置すると見えなくなる部分は発泡材がそのままみえていますよね。
さて次は「モルタル造形」という技術です。材料は普通のコンクリートですが、そこにアーティストの息吹が吹き込まれて無味乾燥としたコンクリートがヨーロッパの石畳にも、和風庭園の庭石にも生まれ変わります。うちのベランダでは大判の砂岩を敷き詰めたような雰囲気にしました。海外に行ったときの写真などをもとにイメージをアーティストの方と綿密に打ち合わせしながら作り上げていきます。
下の写真は荒打ちしたコンクリートの上に鉛筆で下書きをしているところです。テーマは「イタリアのセンスの良い石職人が敷いた石畳。」抽象的ですが、かなりイメージしやすくありませんか?(笑)

これに肉付けする形で原型ができあがっていきます。(もちろんうちは賃貸ですので、現状復旧できるような工夫もしてあります)

さきほどのお絵描きに肉付けしてできあがったのが左下の写真です。どうです?本物にしか見えなくないですか?緑色の防水加工をしただけのベランダの床が「イタリアの石畳」に大変身しました。こんな石を運び入れて実際に敷いたらとてもじゃありませんが、荷重オーバーで大家さんに怒られてしまいます。薄く仕上げることができる「モルタル造形」ならでは可能になりました。

さらにベンチにデザインしたレリーフ(これもプランターと同じ素材です)を貼付けてできあがりです。実際にはこの上にさらにエイジングという手法で少しアンティークな雰囲気をだしています。発泡材のプランターは軽量なだけでなく、ベランダのサイズにぴったり合わせることができること、保温性があるので冬場の寒さから植物を守ってくれることなどのメリットもあります。若干ですが素焼きの鉢にくらべて夏場の乾燥にも強いようです。



